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在宅介護に備える!親と同居するためのマンションリフォームのポイント
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目次
高齢の親との同居を考えたとき、住まいの環境を整えることは非常に重要です。特に、50㎡〜70㎡の2LDK のマンションでは、スペースの有効活用やバリアフリー対応が課題になります。リフォームを行うことで、親が安全に暮らせるだけでなく、家族全員が快適に過ごせる空間を実現できますよ。
今回も本記事では、1級建築施工管理技士の現場監督・福田が親との同居に適したマンションリフォームのポイントを詳しく解説します。
【1】親と同居するためのマンションリフォーム3つの基本

①バリアフリー設計を取り入れる

親が高齢になると、ちょっとした段差や滑りやすい床が大きな事故につながることがあります。
リフォームの際には、以下のポイントを押さえてみてください。
・段差の解消:玄関や部屋の入り口にスロープを設置する、床の高さを統一する。
・滑りにくい床材:クッションフロアや畳を選ぶ。
・手すりの設置:トイレや浴室、廊下に設置すると安心。
現場監督 福田からのアドバイス①
手すりの設置場所は慎重に検討してくださいね。
よく使う動線や立ち上がる動作が多い場所に取り付けることで、効果を最大限に発揮できますよ。
② 室内の移動をスムーズにする

車椅子や歩行器を使用する可能性がある場合、ドアの開閉方式や動線 に配慮が必要です。
・開き戸 → 引き戸に変更:開閉スペースを取らず、移動しやすい。車いすも通れる開口幅の大きいものを選定しましょう。
・廊下を広げる:できるだけ90cm以上確保する。
・家具の配置を見直す:動線を妨げないように整理。
③ 介護しやすいトイレ・浴室に改修

トイレや浴室は転倒事故のリスクが高いため、事前の対策が重要です。
・トイレ:広めのスペース確保、引き戸化、手すりの設置、温水洗浄便座の導入。
・浴室:滑りにくい床材、手すりの設置、浴槽の高さを低めに、シャワーチェア設置。
【2】親のプライバシーを確保しながら快適に暮らす工夫

同居では、家族間の距離感が大きな課題になります。生活リズムやプライバシーを守るために、以下のリフォームの検討がおすすめです。
・親の部屋はリビングと距離を取る:音の漏れを軽減。
※そんなに気にならない方は部屋数を増やすより、パーティションや間仕切りを設置する方法法もありますよ。
・キッチンはオープン型にしない:料理音を和らげる。
・リビングの照明を調光可能に:夜間も眩しくない工夫を。
現場監督 福田からのアドバイス②
家族間の適度な距離を確保するのが長く同居を続けるコツ! 間取りを考える際、親がリラックスできる専用スペースを確保することもポイントですよ。
【3】在宅介護を考えた設備の導入

今はまだ介護が必要でなくても、将来的な介護負担を減らすための設備を取り入れておくと安心です。
① 転倒リスクを減らす設備
・手すりの設置:トイレ・浴室・廊下
・滑りにくい床材:コルク・クッションフロア
・夜間用の足元照明
② 介護しやすい設備
・電動ベッド対応のスペース確保
・トイレの自動開閉機能
・浴室のリフト設置:必要になった際に対応できる広さを確保
③ 緊急時の対応を考える

・室内カメラや緊急ボタン:家族が外出時も安心
・寝室や浴室にインターホン:万が一のときに呼び出せる
現場監督 福田からのアドバイス③
親の健康状態が変わったとき、すぐに対応できる設計が重要! 例えば、家具を簡単に動かせる間取りにしておくと、介護ベッドの導入がスムーズになりますよ。
【4】大規模な改修が必要な場合のリフォームの流れ

親との同居に向けたリフォームは、小規模な改修だけでなく、大規模な間取り変更や設備の入れ替えが必要になる場合もあります。 その場合、住みながらの工事は難しく、一時的に仮住まいを検討 する必要があります。
大規模リフォームが必要になるケース
これらの工事は1ヶ月以上の期間を要するため、仮住まいの準備が必要になります。
仮住まいの準備が必要なケース
・間取りの大幅変更:部屋を増やす・ワンルーム化する
・配管・配線の大規模な工事:トイレや浴室の位置を変更
・断熱改修
・耐震補強
・水回り設備のフルリフォーム:キッチン・浴室・トイレ
大規模リフォームの進め方

[1]計画・相談(3〜6ヶ月前)
リフォームの目的を明確化 親の介護を考慮するか、単にバリアフリー化するかを決める。 予算を設定する 大規模リフォームは500万〜1,500万円程度かかることも。リフォーム会社・工務店を選定 施工実績のある会社に相談し、複数社の見積もりを取る。
[2]仮住まいの確保(2〜3ヶ月前)
・近隣の賃貸物件やマンスリーマンションを探す
1〜3ヶ月の短期契約が可能な物件をチェック。 親の健康状態を考慮した住居選び エレベーター付き、バリアフリー対応の物件が望ましい。
・家具や荷物の一時保管先を確保
トランクルームや貸倉庫を利用する選択肢も。
[3]設計・契約(1〜2ヶ月前)
・詳細な間取りや設備を決定
親が生活しやすい動線を考えたプランを設計。
・管理組合への工事申請
マンションの場合、リフォーム許可を取る必要がある。
・仮住まいへの引っ越し準備
工事期間中に必要な荷物を整理・運搬。
[4]解体・工事開始(1〜2ヶ月)
・不要な壁や床や天井や設備の撤去
・古いキッチン・浴室・間仕切り壁の解体
・配管・配線の新設
・水回りの位置変更や電気配線のアップグレード
・床や壁の仕上げ
・新設備の設置
・断熱材や床暖房の追加
・バリアフリー化工事
[5]完成・引き渡し(1週間)
・最終チェック
設計通りに仕上がっているか確認。
・仮住まいからの引っ越し
新しい住まいに必要な家具・家電を搬入。
・アフターケアの確認
施工会社の保証や定期メンテナンスの有無をチェック。
大規模リフォームをスムーズに進める4つのポイント

①リフォーム期間中の生活設計を事前に決めておく
仮住まいの契約期間や費用を含めた計画を立てる。
②工事前に近隣住民への挨拶を忘れずに
騒音や工事車両の出入りが発生するため、トラブル回避のために一言伝えておく。
③工事スケジュールに余裕を持たせる
天候や設備納期の遅れで工期が延びることもあるため、引っ越し日を余裕を持って設定する。
④親の生活環境を優先した設計を
完成後の暮らしやすさを重視し、収納や動線の最適化を図る。
現場監督 福田からのアドバイス④
大規模リフォームを成功させるには、「仮住まいの手配」+「生活の変化に適応する計画」が必須!スケジュールに余裕を持ち、無理のない計画を立ててくださいね。
よくある質問(FAQ)

Q1. 在宅介護向けリフォームの費用はどれくらい?
A. 100万~500万円が目安。トイレ・浴室のバリアフリー化や間取り変更によって変動します。
Q2. 高齢の親が住みながらリフォームは可能?
A. 小規模リフォームなら可能ですが、大規模な改修は仮住まいを検討すると安心です。
Q3. 賃貸マンションでもリフォームできる?
A. 大規模な工事は難しいですが、段差解消マットや手すりの後付けなど、工夫次第で改善できます。
Q4. 補助金は利用できる?
A. 自治体によってはバリアフリー改修の補助金があるので、事前に確認しましょう。
Q5. 将来的に介護施設に入る可能性がある場合は?
A. 介護が必要になったら賃貸に出せるような設計にしておくと、無駄なく活用できます。
まとめ/親と家族が快適に暮らせる住まいを作るために
親との同居に向けたマンションリフォームは、「安全性」「快適性」「プライバシーの確保」の3つのポイントが重要です。 将来的な変化を見据えた設計をすることで、親も子もストレスなく暮らせる住環境を作れます。リフォームの計画は早めに進めるのが成功のカギ!気になる点があれば、専門家に相談しながら最適なプランを考えてくださいね。
この記事を書いた人

福田 雄一郎[現場監督/1級建築施工管理技士]
工務部では部長としてリフォームを中心に現場管理をメインに担当しています。本ブログでは「私自身がリフォームをするのであればこうする」という視点でみなさまに役立つ情報を紹介していきます。よろしくお願いいたします。