1. TOP
  2. リフォームお役立ちブログ
  3. 放置は危険!マンションの結露がもたらす5つの悪影響と対策リフォーム

放置は危険!マンションの結露がもたらす5つの悪影響と対策リフォーム

  • マンションリフォーム

マンションでも結露やカビに悩んでいませんか?

「朝起きると窓がびっしょり」「クローゼットがカビ臭い」——そんな悩み、実はマンション住まいでも珍しくありません。特に築年数の経ったマンションでは、当時の断熱・換気設計が現在の基準に達していないことも多く、気づかぬうちに結露やカビのリスクが高まっているのです。

今回も、1級建築施工管理技士の現場監督・福田が、マンションでも実践できる“湿気・結露対策リフォーム”について、具体例を交えて解説します。

マンションで結露・カビが発生する主な理由

1. コンクリート構造特有の冷え

鉄筋コンクリート造のマンションは断熱性が高いと思われがちですが、外気に面したコンクリートは冬場に冷えやすく、室内との温度差で窓や壁に結露が発生しやすくなります。

2. 高気密による換気不足

マンションは戸建てと比べて隙間が少なく気密性が高いため、意識的に換気を行わないと室内の湿気がこもりやすくなります。古い換気扇や適切でない換気経路がカビの原因になっていることも。

3. 水まわりの集中と通気の悪さ

ユニットバス・脱衣所・洗濯機などがコンパクトにまとまっている間取りが多く、湿気がたまりやすい場所が一点に集中します。また窓がない水まわりでは湿気が逃げづらく、カビや結露の温床に。

結露がもたらす5つの悪影響

❶ カビの発生 → 健康被害のリスク

結露した窓枠や壁紙、クローゼット内部にカビが生えやすくなります。喘息、アレルギー、咳、肌荒れなどの症状を引き起こすこともあり、小さなお子さんや高齢者がいる家庭では特に注意が必要です。

❷ 内装材や家具が傷む

壁紙が剥がれる、シミができる、フローリングが反り返るといった内装の劣化につながります。押し入れやクローゼット内の衣類・布団がカビ臭くなる、革製品がダメになることも。

❸ 住戸全体の湿度が上がり、快適性が低下

湿気がこもることで室内がジメジメして不快になります。エアコンや除湿器の負荷が上がり、光熱費も増加します。

❹ コンクリート内部の劣化リスク(長期的)

室内の湿気が壁内にまで入り込むと、断熱材や構造体への悪影響も懸念されます。これはマンションの寿命や資産価値にも関わる問題です。

❺ 入居者同士・管理組合とのトラブルの種に

結露によるカビ臭や漏水が他の住戸へ影響すると、近隣トラブルに発展する可能性もあります。原因が共用部か専有部かで責任の所在が争点になるケースも。

マンションでできる!おすすめのリフォーム対策3選

<出典:YKK AP>

[1]内窓(二重窓)設置で窓の結露対策

マンションの窓は“共用部”にあたり、サッシ自体の交換はできないのが一般的です。しかし、室内側にもう1枚窓を設置する「内窓(二重窓)」は専有部の工事となり、設置が可能です。

これにより室内外の温度差が緩和され、結露の発生を大幅に抑制できます。加えて防音・断熱効果も得られ、冷暖房効率の改善にもつながります。

費用感1ヶ所あたり8〜15万円程度
施工期間1日で設置可能

[2]換気設備の見直しで湿気を逃す

浴室換気扇や24時間換気システムが古くなっていたり、適切に機能していないケースもあります。フィルター掃除だけでなく、必要に応じて換気扇の高性能タイプへの交換や、除湿機能付きの機器への入れ替えを検討しましょう。

費用感10〜30万円前後
施工期間1〜2日

[3]クローゼット・押入れの通気対策

湿気がこもりがちな収納空間には、通気口を設けたり、可動棚にすることで空気の流れを改善し、カビの発生を防ぐことができます。

現場監督 福田からのアドバイス①

以前、施主様から『和室の小さなサッシの結露がすごくて困っている』と相談を受け、調湿建材を置いたことがありましたが、残念ながら効果はありませんでした。結露は湿気よりも室内外の温度差が原因なので、調湿では根本的に解消されません。結露対策には、やはり断熱や内窓といった物理的な方法が有効です。マンションは戸建てと違って制約が多い分、“専有部で何ができるか”を見極めるのが大切です。内窓や換気設備の見直しなど、小さな対策でも住まいの快適性は大きく変わりますよ。

マンションならではの注意点

共用部には触れられない

マンションでは玄関ドアや窓サッシは共用部に該当するため、勝手に交換や改造はできません。リフォームを行う際は、あくまで「専有部内の工事」にとどめることが必要です。

管理規約の確認が必須

防音工事や窓まわりの改修でも、工事申請や理事会承認が必要な場合があります。事前に管理組合に確認し、ルールを遵守した上で進めることが重要です。

工事音や資材搬入への配慮も

共用部での資材の持ち運びや工事音には近隣への配慮が求められます。信頼できる施工会社と相談し、トラブルを未然に防ぎましょう。

現場監督 福田からのアドバイス②

「マンションだから無理だろう」と諦める前に、専有部でできることを一緒に見つけていきましょう。実際に内窓だけでも体感温度は大きく変わりますよ!

気になる費用と施工期間の目安

リフォーム内容費用感施工期間
内窓(二重窓)約8〜15万円/1ヶ所半日〜1日
換気設備の見直し約10〜30万円1〜2日
収納通気性の改善約5〜10万円半日〜1日

FAQ:よくある質問

Q1. サッシが古くて結露がひどいけど交換できない?

A. 窓サッシは共用部にあたるため、勝手に交換はできません。室内側に内窓を設置する方法が現実的な対策です。

Q2. 玄関ドアの断熱対策は可能ですか?

A. 玄関ドアも共用部にあたるため原則不可ですが、室内側にカーテンやパネルを設置することで冷気の侵入を抑える工夫は可能です。

Q3. 換気扇の交換は申請が必要?

A. 基本的には専有部内であれば申請不要ですが、念のため管理組合に確認するのが安心です。

Q4. リフォーム補助金は使える?

A. 内窓や断熱・換気設備の改修は補助対象になることがあります。自治体や施工会社に確認してみてください。

Q5. 小規模でも効果はある?

A. はい。たとえ1ヶ所の内窓設置でも、冬の結露や体感温度に大きな違いが出ます。

まとめ:マンションでも“できる対策”で、快適な住まいに

結露やカビの悩みは、放っておくと健康にも住まいの寿命にも悪影響を及ぼします。マンションでは制約がある分、計画的な対策が必要ですが、専有部の工事だけでも十分に改善できることはたくさんあります。

内窓や換気の見直しなど、まずはできるところから一歩踏み出してみましょう。気になる点があれば、現場監督・福田までお気軽にご相談ください!

この記事を書いた人

福田 雄一郎[現場監督/1級建築施工管理技士]

工務部では部長としてリフォームを中心に現場管理をメインに担当しています。本ブログでは「私自身がリフォームをするのであればこうする」という視点でみなさまに役立つ情報を紹介していきます。よろしくお願いいたします。