こんにちは、現場監督の福田です。 リフォームの現場では、思わぬところに落とし穴があるものです。 特に「住宅密集地」「隣家が迫っている家」では、資材や設備の搬入トラブルが多発します。 今回は、「狭いから無理かな…」とリフォームを諦めかけている方や、「実際どんな問題が起こるの?」と気になっている方に向けて、現場のリアルな事例と対策を分かりやすく解説します。 今回も本記事では、1級建築施工管理技士の現場監督・福田がポイントを詳しく解説します。
はじめに:住宅密集地リフォームの意外な落とし穴
「うちは狭いし、両隣も近いから大掛かりなリフォームは無理かな…」と不安に思う方、多いのではないでしょうか? 実は、“搬入経路の確保”がリフォーム成功のカギとなることをご存じですか? 見積もりやプランを立てる段階では見過ごしがちですが、いざ工事が始まると、「そもそも材料や設備が家の中まで運び込めない!」というケースも珍しくありません。 この落とし穴を避けるためには、事前準備と現場での工夫が欠かせません。
実際によくある4つのトラブル事例
密集地・狭小住宅リフォームでよくあるトラブルを、いくつかご紹介します。対策方法によりどうしても追加費用が発生してしまうようなケースです。
[1]キッチンや浴室ユニットが家の中に入らない
<当社施工事例>
例:通路幅が60cmしかなく、標準サイズのユニットバスが搬入できない
[2]屋根工事などで重機が使えない
例:敷地が道路から奥まっており、小型クレーンや搬入用リフトが入れず、資材の運搬をすべて手作業で実施
[3]作業スペースが足りない
例:建物周囲がすぐ隣家で、外壁や屋根の足場が組めず、工事期間が延びた
[4]ご近所とのトラブル
例:隣地を一時的に通行・利用させてもらう必要があり、事前説明が不足しトラブルに発展
搬入トラブルが起きやすい立地・条件とは?
主には、以下の立地や条件で搬入トラブルが発生しやすいです。
■戸建て住宅が密集している市街地や旧市街の路地裏 |
■道路から建物までの通路が狭い・曲がっている |
■建物の周囲がすべて隣家の塀やフェンスで囲まれている |
現場監督 福田からのアドバイス①
「搬入経路」は、現地調査の段階で必ず細かくチェックしてくださいね。
意外と見落としがちなのが「高さ」や「曲がり角」の制限です。図面上は大丈夫でも、実際には通せないことも多いので要注意です。
現場で見られるプロの対応策
<当社施工事例>
こうした現場でプロがどんな工夫をしているか、いくつかご紹介します。
資材の小分け・手運び | 大きな部材を現地で分解・組み立て、または細かく搬入してから現場で再加工。 |
クレーンやリフトの活用 | 可能であれば小型クレーンや搬入用リフトを使用。通行許可や道路使用許可が必要な場合もあり。 |
隣地との交渉・一時利用のお願い | どうしても搬入が難しい場合は、施主様の協力も必要不可欠です。隣家に事情を説明し、敷地を一時的に使わせてもらうことで問題を解決することがあります。 |
搬入順序や工程の工夫 | 大きな設備や材料は、リフォームの初期段階で先に搬入し、後で作業スペースを確保することも。 |
現場監督 福田からのアドバイス②
隣家へのご挨拶や、必要に応じて書面での了承を得ておくとトラブル回避につながります。
「うちだけで何とかしよう」と思わず、専門業者や現場監督に相談してくださいね。
施主が事前にできること・確認すべきこと
施主の立場でできる対策や確認ポイントも紹介します。
■現地調査時に同行して状況を把握する |
■ご近所への事前説明やご挨拶を忘れない |
■リフォーム会社に“搬入経路の事前確認”を依頼する |
■工事計画や見積もりの段階で、搬入に伴う追加費用をしっかり確認 |
現場監督 福田からのアドバイス③
搬入や作業が難しい現場ほど、「追加費用」が発生しやすいです。
例えば、手運び作業や重機手配、隣地利用料など、状況によっては10万円〜30万円程度のコストアップになることも。
トータルの予算を組む際に、余裕を持たせておくと安心です。
実例紹介:こうして乗り越えた!搬入成功ストーリー
<当社施工事例>
隣地との間ギリギリのスペースだったため、お隣のフェンスを一時的に外させていただき、同敷地内にて無事に作業を実施。
事例1:お隣のフェンスを外して搬入
通路幅が足りず、お施主様がご近所に事情を説明。 お隣のご厚意で一時的にフェンスを外し、資材を搬入できたことで、追加費用や工期の延長を回避できたケースがありました。
事例2:大型ユニットバスを現場で分解&再組立て
標準サイズの浴室が入らず、メーカーに相談し現場で分解して搬入・設置。追加費用はかかりましたが、希望通りのリフォームが叶いました。
よくある質問(FAQ)
Q1. 搬入トラブルがあると、どれくらい費用が増える?
A. 搬入方法や状況によりますが、手運び作業・重機の手配・隣地利用料などで10万円〜30万円程度上乗せになるケースが多いです。
Q2. 隣家の敷地を使う場合、どんな手続きが必要?
A. まずは施主・業者双方から事前にご挨拶を行い、口頭または書面で了承を得るのが一般的です。内容によっては簡単な覚書を交わすと安心です。
Q3. 搬入できなかった場合、リフォームそのものができないこともある?
A. 大きな機材や設備の場合はプラン変更を余儀なくされることもありますが、多くの場合は分解搬入や小型品への変更で対応可能です。
Q4. どのタイミングで「搬入できるか」を確認すればいい?
A. 初回の現地調査や見積もり段階で必ず確認してください。 「契約後に判明」だとトラブルや追加費用が発生しやすくなります。
Q5. 自分で準備するべきことは?
A. 搬入経路やご近所との関係について、日ごろから把握しておくこと。 リフォーム計画が具体化したら、早めに業者と一緒に現場確認を行ってください。
まとめ:安心してリフォームするためのポイント
<当社施工事例>
狭小地や隣家に囲まれた住宅でのリフォームは、「搬入経路の確保」と「ご近所との協力」がとても重要です。 事前にしっかりと現地調査を行い、搬入や作業の難しさも加味して計画を立てくださいね。 困った時は、経験豊富なリフォーム会社や現場監督に早めに相談するのが成功への近道です。「できないかも…」と諦めずに、まずは相談することが大切です。 プロの知恵と経験を活かせば、ほとんどの問題は乗り越えられますよ。