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台風シーズン到来前に!家の“防災力”を高めるリフォームポイント

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こんにちは、山中木材の現場監督・福田(1級建築施工管理技士)です。

台風シーズンが近づくと、家の“防災力”が気になる方も多いのではないでしょうか?
特に8月~9月は台風や豪雨による住宅被害が増える時期。
「どんな対策をすればいいの?」「リフォームでどこまで強くできる?」といった疑問を持つ方も多いと思います。

そこで今回は、“リフォーム会社が実施する本格的な防災工事”にしぼって、
屋根・外壁・雨どい・窓・玄関・外構・備蓄スペースなど、家を守るためのポイントを分かりやすく解説します。
費用感や具体例、そして現場で役立つアドバイスも交えていますので、「防災リフォーム」を検討するきっかけとして、ぜひご活用ください。

また、「どこを優先するべき?」といった場合は、以下の記事も参考にしてみてください。
<参考記事>
帰省で気づく実家の老朽化!親世代のための安心リフォームチェックリスト

屋根の防災リフォーム

屋根は台風時の被害がもっとも多い場所の一つです。
「瓦がズレた」「板金が飛んだ」「屋根から雨漏り」など、毎年多くのご相談をいただきます。

<参考記事>
[屋根リフォーム]瓦からガルバリウム鋼板への葺き替え工程をプロが分かりやすく解説

主なリフォーム内容

■屋根材(瓦・スレート・金属など)の全体点検と補修
■強風・台風に強い屋根材(ガルバリウム鋼板など)への葺き替え
■下地補強や耐風金具の追加工事
■雨漏りリスクを減らす防水工事

費用感(目安)

部分補修5~20万円
葺き替え工事80~300万円(屋根面積や素材によって変動)

現場監督 福田からのアドバイス①

台風直前は依頼が集中しがちです。
「瓦1枚のズレ」でも放置すると、被害が大きくなります。
早めの点検・工事予約がおすすめです。

外壁の防災リフォーム

外壁も台風で劣化しやすい部分です。
ヒビ割れや塗装の剥がれは、雨水侵入の原因になります。

<参考記事>
雨漏りから家の劣化につながる外壁の「目地(コーキング/シーリング)」のひび割れを放置しないで!

主なリフォーム内容

■外壁材の劣化補修(ヒビ割れ・剥離の本格補修)
■防水塗装・シーリング打ち直し
■強風・飛来物に強い外壁材(窯業系サイディング・ALCなど)への張替え

費用感(目安)

部分補修10~30万円
外壁塗装(足場含む)80~150万円
外壁張替え200万円~(建物規模による)

現場監督 福田からのアドバイス②

築10年以上経過した家は、シーリングの劣化にご注意。
「見た目はきれいでも隙間やヒビ割れが進行しているケースが多い」ので、プロの点検を活用してください。

雨どい・排水設備のリフォーム

雨どいが詰まったり外れていると、屋根や外壁からの雨水がうまく流れず、浸水や基礎の劣化の原因となります。

主なリフォーム内容

■雨どいの全交換、耐風・大型雨どいへのグレードアップ
■勾配や固定金具の最適化
■排水経路の見直し・改修(雨水マスや浸透桝設置など)
■敷地排水ポンプや浸水対策設備の設置

費用感(目安)

雨どい全交換20~50万円(足場費用は含みません)
排水経路改修10~50万円(規模により変動)
ポンプ・浸水対策設備設置30万円~

窓・サッシの防災強化リフォーム

<当社施工事例:新設のシャッター>

台風時にもっとも割れやすいのが窓ガラス。
強風で物が飛んできて窓が割れると、そこから雨が吹き込んで室内が大きく被害を受けます。

主なリフォーム内容

■防災(耐風・耐衝撃)ガラスや複層ガラスへの交換
■窓シャッター・雨戸の新設・グレードアップ
■防災サッシ(気密・防水性能が高い)の取付

費用感(目安)

防災ガラス交換1箇所あたり7~15万円
シャッター新設1箇所あたり12~25万円

現場監督 福田からのアドバイス③

後付けの窓シャッターは、「外壁の状況や窓の構造」によって施工方法や費用が大きく変わります。
現場調査をしっかりした上で、最適な方法を提案してもらうことが重要です。

玄関・勝手口の浸水対策工事

地面と接する玄関や勝手口は、台風時の浸水リスクが高い場所です。

<参考記事>
玄関ドアの交換で防犯&断熱性アップ!カバー工法で失敗しないドア選びと施工のポイント

主なリフォーム内容

■玄関ドア下部の防水リフォーム(止水板・パッキン強化)
■玄関まわりのかさ上げ工事や土間勾配調整
■浸水防止用のフラップゲート・排水溝増設

費用感(目安)

止水板設置1箇所あたり5~20万円
土間かさ上げ20~50万円
排水溝新設20万円~

外まわり(カーポート・塀・フェンス等)の補強リフォーム

外構まわりも風の影響を受けやすく、転倒・倒壊・飛来物による被害が増えています。

主なリフォーム内容

■カーポート・テラス屋根の耐風補強(支柱補強、屋根材変更など)
 カーポートやテラス屋根の屋根は飛びやすくなっています。あまり強固だと躯体に影響があるためです。
 例:壁付けテラス屋根が設置されていて強風にあおられて、外壁がめくれてしまう等
■フェンス・塀の補強工事(アンカー追加、基礎補強)
■擁壁や土留めの補修・補強
■倒木リスクがある樹木の伐採(外構業者との連携)

費用感(目安)

カーポート補強10~30万円
フェンス・塀補強5~20万円
擁壁補修30万円~

備蓄スペースの新設・収納リフォーム

災害時のために、水・食料・バッテリー等の備蓄品をまとめて収納できるスペースがあると安心です。

主なリフォーム内容

■防災備蓄品収納用のパントリー・床下収納の新設
■非常用電源(蓄電池・ポータブル電源など)の設置
■貯水タンクや非常用トイレの設置

費用感(目安)

備蓄スペース新設10~40万円
蓄電池設置100万円~

FAQ(よくある質問)

Q1. 台風被害の多い屋根や外壁のリフォーム、どちらを優先すべき?

A.被害の多いのは屋根ですが、外壁のヒビや劣化も雨漏りの大きな原因です。両方気になる場合は、現場調査のうえ「優先度が高い箇所から」リフォームを進めるのがおすすめです。

Q2. 窓シャッターはどんな家でも後付けできますか?

A. 多くの場合後付け可能ですが、外壁の種類や窓の大きさによって工法や費用が変わります。事前に現地調査と見積もり依頼を。

Q3. 雨どいの詰まりや破損がある場合、全部交換しないといけませんか?

A. 軽度の詰まりや破損は部分補修も可能ですが、古い雨どいは劣化が進んでいる場合が多いため、全交換した方が台風時の安心感は高まります。

Q4. 防災リフォームの費用は補助金や助成金の対象になりますか?

A. 自治体によっては防災関連のリフォームに補助が出る場合も。最新情報はお住まいの自治体やリフォーム会社にご確認ください。

Q5. 防災備蓄スペースのリフォームはどこまでできる?

A. 小規模な収納棚の新設から、床下収納・パントリー増設、大容量蓄電池の設置まで様々なご提案が可能です。

まとめ|専門家からのメッセージ

ここまでご紹介した防災リフォームは、どれも“家族の安心”につながる大切な備えです。
「まだ大丈夫」と思っていても、台風や豪雨はいつやってくるかわかりません。

リフォームでの防災対策は「早めの準備」と「プロによる点検・工事」がポイントです。
一度しっかりメンテナンス・リフォームをしておけば、万一の時も落ち着いて対処できます。

これから台風シーズン本番です。
この記事が皆さんの家づくり・住まいの安全に役立つことを願っています。

この記事を書いた人

福田 雄一郎[現場監督/1級建築施工管理技士]

工務部では部長としてリフォームを中心に現場管理をメインに担当しています。本ブログでは「私自身がリフォームをするのであればこうする」という視点でみなさまに役立つ情報を紹介していきます。よろしくお願いいたします。