こんにちは。1級建築施工管理技士の現場監督・福田です。
キッチンのリフォームを検討するとき、多くの方が「どのメーカーがいいの?」「見学では何を見れば失敗しない?」と迷われます。 そんな時にショールーム見学をうまく活用すれば、使いやすく長く快適に暮らせるキッチンを選ぶことができます。
本記事では、ショールームで必ず確認すべき比較ポイント、見落としやすい盲点、質問の仕方まで、初心者でも分かりやすく解説します。
はじめに――ショールーム見学で失敗しないために
<出典:トクラス>
キッチンは家の中でも使用頻度が高く、家事の効率や快適さに直結します。
カタログだけでは分からないサイズ感や収納力、質感を体験できるのがショールーム見学の最大のメリットです。
「思ったより作業スペースが狭い」「収納が足りなかった」「掃除が大変だった」という後悔は、リフォームでも多く耳にします。だからこそ実物確認が大切です。
キッチン選びでよくある“後悔”とその原因
・ワークトップが高すぎて肩がこる、低すぎて腰が痛い |
・シンクが浅く、大きな鍋が洗いにくい |
・レンジフードの掃除が想像以上に面倒 |
・引き出しが小さく、収納が足りない |
・オプションを追加しすぎて予算オーバーに |
現場監督 福田からのアドバイス①
キッチンは「立ち仕事が中心」なので、自分に合った高さを確認するのが何より大切です。必ず実際に立って作業姿勢を試してくださいね。
見学前に準備しておくべき3つのこと
①自宅キッチンの寸法を測る | 間口・奥行・天井高さ、冷蔵庫や食器棚の位置を把握しておいてください。
|
②家族のライフスタイルを整理する | 「共働きで食洗機必須」「作り置き中心で冷凍庫が重要」など、優先事項を確認。 |
③予算と希望の優先順位を決める | デザイン、収納、掃除のしやすさ、オプション機能の中で何を重視するか明確に。 |
現地で必ずチェックしたい“7つの絶対比較ポイント”
<当社施工事例>
①ワークトップ(天板)の素材と高さ
<当社施工事例>
・人工大理石/ステンレス/セラミックで耐久性や掃除のしやすさが違う |
・高さは「身長÷2+5cm」が目安 |
・リフォームでは既存のレンジフードや吊戸棚とのバランスも確認を |
現場監督 福田からのアドバイス②
「将来の家事動線」も考えて選びましょう。
腰をかがむのがつらくなる年代を見越して、少し高めに設定する方もいます。
②シンクの大きさ・深さ・形状
<当社施工事例>
・鍋やフライパンが収まるか実際に試す |
・水はね防止や掃除のしやすさもチェック |
③コンロ・IHの使い勝手と安全性
<当社施工事例>
・ガス/IHの違いを比較 |
・操作パネルの見やすさ、掃除のしやすさもポイント |
・IHは掃除が楽・火災リスクが低い、ガスは鍋振り調理や火力重視の人におすすめ |
④換気扇(レンジフード)の性能と掃除のしやすさ
<当社施工事例>
・フィルターレスかどうか、取り外しのしやすさ |
・自動洗浄機能付きは便利だが、費用増・故障リスクもある |
・同時給排気機能があると高気密改修でも安心 |
⑤収納力と引き出しの構造
・フルオープンできるか |
・調理器具や米びつなどが入るか試す |
・ゴミ箱スペースの確保方法も確認を |
⑥食器洗い乾燥機の有無と容量
<当社施工事例>
・家族人数に合った容量か。 |
・海外製は洗浄力抜群だが、設置できるキッチンが限られるため費用増の可能性あり |
現場監督 福田からのアドバイス③
食洗機は“使う頻度”で判断してください。
毎日使うなら投資の価値は大きいですが、2人暮らしで外食の頻度が高いといったケースなど、使わないなら収納に回した方が満足度が高いです。
なお、食洗機には浅型と深型があり、上記のようなケース以外は深型を推奨しています。深型はフライパンも入りますよ。
⑦水栓(蛇口)の機能と位置
・タッチレス/浄水器一体型/ホース伸縮式など |
・掃除やメンテナンスのしやすさも重要 |
ショールーム見学で「盲点になりやすいポイント3選」
<当社施工事例>
①調理スペースと通路幅の実感
ショールームでは広く感じやすいので、家の間取りに落とし込んで確認すること。最低80cm、理想は100cmが目安です。
②カタログ写真と現物の違い
天板や扉の色は光の当たり方で大きく印象が変わるため、必ず実物を確認。
③オプション価格・グレードアップの落とし穴
標準仕様との差額や、追加オプションの維持費まで考えて選んでください。
ショールーム見学を100%活かすための5つの質問
<当社施工事例>
[質問1]このモデルの標準仕様は何ですか? |
[質問2]オプションを追加すると何が変わりますか? |
[質問3]掃除やお手入れがしやすい部分はどこですか? |
[質問4]実際の設置工事で注意する点はありますか? |
[質問5]保証やアフターサービスはどうなっていますか? |
見学後に比較・検討する際のチェックリスト
チェック項目 | チェック欄 |
■家のキッチンに入るかサイズを再確認する | □ |
■価格・オプション内容・保証期間を比較する | □ |
■実際に体感して納得できたかメモを見返す | □ |
■家族や専門家の意見を聞いて再検討する | □ |
FAQ――よくある質問
Q1. ショールーム見学には予約が必要ですか?
A. 基本的に予約がおすすめです。専門スタッフから個別に説明も受けられます。また、混雑を避けられます。
山中木材では、現場調査後に限り、メーカーショールームの予約を代行しています。その際は事前に寸法や必要な情報をメーカーへ共有するため、スムーズに打合せが進められます。
Q2. 費用感はどれくらいですか?
A. システムキッチンの交換(工事費込み)は100万~200万円程度が目安です。グレードやオプション次第で幅が出ます。
Q3. リフォームでも部分交換は可能ですか?
ワークトップやシンクだけ交換できるケースもありますが、メーカーや既存の型番によって制約があるため、必ず確認が必要です。
Q4. 海外製の食洗機はリフォームでも入れられますか?
A. 設置できるキッチンメーカーやグレードが限られるため、費用が割高になる場合があります。
Q5. 通路幅はどのくらい必要ですか?
A. 最低80cm、理想は100cm。2人で作業するなら広めを確保してください。
まとめ――納得のキッチン選びをするために
キッチンは毎日の生活を支える重要な場所です。
ショールーム見学を活用して、実物を見て触れ、納得できるまで比較してください。 オプションやデザインだけでなく、使いやすさや掃除のしやすさまで確認することで、後悔のないリフォームにつながります。
リフォームは既存空間との兼ね合いもあるため、実物体験と寸法確認が何より大切です。焦らず、自分たちに合った最適なキッチンを見つけてください。