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現場監督が語る「リフォームで失敗する施主の共通点5選」

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こんにちは。1級建築施工管理技士の現場監督・福田です。

リフォームでは

「完成したらイメージと違った」
「思った以上に費用がかかった」
「予定より工期が延びた」

といった声が少なくありません。
もちろん、原因がリフォーム会社側の説明不足や管理の甘さにあるケースもあります。

本記事では、施主が今すぐ実践できる防止策を中心にご紹介します。リフォームは、施主とリフォーム会社が二人三脚で進めるプロジェクト。トイレ交換のような半日〜1日で終わる短期工事(住みながら実施)から、仮住まいを伴う長期・大規模工事まで、規模に関係なく“協働”の姿勢が成功の近道ですよ。

共通点①:「おまかせで大丈夫」と丸投げしてしまう

判断をすべて委ねると、暮らし方や優先順位の細部まで伝わらず、完成後のギャップに繋がりがち。

「譲れないこと」と「調整できること」を分けて伝えるのがコツです。
(例:家事動線/掃除のしやすさ/収納量)

現場監督 福田からのアドバイス①

まずは「日々の家事動線」「掃除のしやすさ」「収納の量」で比較・判断するとブレにくいですよ。
デザインは“仕様確定の終盤(着工前)”にまとめて詰めるのがおすすめです。

共通点②:打ち合わせ内容を記録していない

「コンセントの追加」「扉の色番」などを口頭だけで済ませると、時間経過や担当交代で認識ズレが起きやすいため、「議事録」・「確認メール」・「写真の保存」で“見える化”しておくのがポイントです。

現場監督 福田からのアドバイス②

リフォーム会社から打ち合わせの議事録が出ない場合は、施主側で要点メモをメール・LINEしておくと、「言った・言わない」を防げますよ。

共通点③:リフォーム会社への質問や確認を遠慮してしまう

「忙しそう」「初歩的かも」と遠慮して質問を後回しにすると、小さな違和感が積み重なり後悔に。

気づいた時にすぐ質問・確認が基本です。短期工事は当日の開始前・途中・完了時にひと声かけるだけでも精度が変わってきますよ。

現場監督 福田からのアドバイス③

リフォームは、施主のみなさんと一緒に作り上げる共同作業です。だからこそ、質問や確認は歓迎ですし、積極的に聞いていただいた方が最終的な完成度は確実に上がります。遠慮せず「ここが不安」「この違いは何?」と伝えてください。
たとえば――
* 「この高さで使いづらくないか心配です。別案はありますか?」
* 「AとBの違いを3つだけ教えてください」
* 「今日の決定事項を簡単にまとめてもらえますか?」
こうした一言が、認識のズレを早期に修正し、より良い仕上がりにつながります。こちらからも丁寧に説明・記録しますので、気になった点は小さくても遠慮なく質問してくださいね。

共通点④:工事中の確認が不足している

完全に任せきりだと、「棚の高さが指示と違う」「スイッチ位置が変更前のまま」など、打合せと異なる点に完成後に気づくことがあります。 特に仮住まいの長期工事複数工種の同時進行では行き違いが起きやすいです。

住みながらの短期工事は当日の作業前後の軽い確認で十分。長期・多工種の工事は要所での確認が安心です。

現場監督 福田からのアドバイス④

仮住まいの場合は、週1回の現場確認、または工程の切れ目ごとに、現場監督からの写真共有があると、意思疎通が整い、手戻りが減りますよ。

共通点⑤:引き渡し時の確認・保証の把握が不十分

保証書の範囲・保証年数、施工写真の受領、基本メンテナンス方法の確認漏れは、後日の不具合対応で困ります。

チェックリストを作って受け取り漏れを防ぐこともおすすめします。

リフォームを成功させるためのセルフチェックリスト

優先順位(譲れない点/調整できる点)を伝えているしている・していない
打合せの要点(色番・位置・寸法・金額)をメールや写真で保存しているしている・していない
不明点は当日・その場で質問しているしている・していない
進行確認
短期リフォームの場合:当日の前後に確認
長期リフォームの場合:要所での確認や写真共有をしている
している・していない
保証書・施工写真・メンテ方法を受け取っているしている・していない

※「していない」がが3つ以上なら対策を意識してくださいね。

ここまで「確認・記録・質問」のコツを紹介しました。最後に、計画の初期段階で役立つ工期と費用の目安リフォームの進行管理の基本を簡単にご紹介します。

まず把握したい「工期と費用の目安」(一般例・税込概算)

リフォームは規模によって必要な時間と費用が大きく変わります。最初の検討材料として、よくあるケースの目安を共有しておきます。

【リフォーム内容】【工期】【費用の目安】
トイレ交換半日〜1日15〜35万円前後(本体・内装・止水栓等で変動)
洗面化粧台交換半日〜1日10〜30万円前後
LDK改装(間取り変更含む)2〜4週間150〜400万円前後

※現場の状態・選定機器・工事範囲で変動します。現地調査後に確定見積りが提示されるのが一般的です。

リフォーム進行状況管理の目安(一般例)

スムーズに進めるための“基本”をまとめました。会社によって運用は異なりますが、次のようなタイミングで、確認をおこなうと安心です。

打合せ後24時間以内要点をメール等で共有(色番・位置・仕様・金額差分)
工程の切れ目ごとリフォーム状況の写真共有:短期工事=当日共有/長期工事=週1共有+重要工程前後
引き渡し時保証書・施工写真・メンテナンス表を受け取る

よくある質問(FAQ)

Q1. 打合せの記録、何を残せばよいですか?

A. 確認メールや、仕様書・色サンプル・位置図の写真保存で十分。あとから要点を見返せる状態にしておいてくださいね。

Q2. 工事中、現場を確認するのはどれくらいが目安?

A. トイレや洗面台の交換などの短期工事は、当日の開始前と完了時の軽い確認で足ります。
仮住まいを伴う長期・大規模工事は、週1回の現場確認や工程ごとの写真共有が一般的ですよ。

Q3. 工期が延びた時はどうすれば?

A. 延長理由・新たな完了予定日・費用影響の有無を確認してください。天候・部材遅延・解体後の追加補修など、理由が分かると判断しやすくなります。

Q4. 住みながら工事は可能?

A. 短期の設備交換や一室の改修は原則可能。キッチン・浴室同時改修や大規模な間取り変更では仮住まいを検討するのが一般的です。

Q5. 保証内容はどこまで確認すべき?

A. 対象範囲・年数・連絡先の3点は必須。水回りや防水は条件が細かいことがあるため、不明点は事前に確認しておいてくださいね。

まとめ――「確認・記録・質問」を、規模に応じて

<当社施工事例>

リフォームは、会社任せ・施主任せのどちらか一方では行き違いが生まれやすいので注意が必要です。

確認・記録・質問の3つを、工事規模に応じて“関わり方の深さ”を調整しながら実践することで、満足度は大きく高まりますよ。

この記事を書いた人

福田 雄一郎[現場監督/1級建築施工管理技士]

工務部では部長としてリフォームを中心に現場管理をメインに担当しています。本ブログでは「私自身がリフォームをするのであればこうする」という視点でみなさまに役立つ情報を紹介していきます。よろしくお願いいたします。