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本当にあった!怖いリフォーム10選

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はじめに|怖い話は「知れば防げる」話でもある

<当社施工事例>

リフォームは、今の暮らしをもっと良くするための前向きな工事です。 ですが現場では、「まさかこんなことになるとは思わなかった…」と感じるトラブルが起きるのも事実です。

ただし、多くの“怖いリフォーム”は、実は 少しの知識と事前準備で避けられるものでもあります。

この記事では、実際にあった10の事例をもとに、どこでつまずきやすいのか、どうすれば防げるのかを解説。

今回も1級建築施工管理技士の現場監督・福田が現場で培ってきた経験をもとに分かりやすくお伝えします。

耐力壁を壊してしまった「構造を知らないリフォーム」

「この壁を取って広くしたい」という希望はよくありますが、その壁が家の重さを支える“耐力壁”だった場合、話は大きく変わります。

ある現場では、構造を確認しないまま壁を撤去した結果、家全体がわずかに歪み、ドアが閉まりにくくなるという問題が発生しました。

リフォームは“既存の構造を活かす工事”なので、壊してはいけない部分の見極めが非常に重要です。 図面だけでは判断できないことも多いため、実際の現場で柱・梁・壁の位置を丁寧に確認しながら進める必要があります。

現場監督 福田からのアドバイス①

壁の撤去を伴う工事は、まず「この壁がどんな役割を持っているのか」を説明してもらってください。
必要に応じて補強方法もあわせて確認し、安心して壊せるかどうか判断することが大切です。

シロアリ被害を見落として床が沈んだケース

フローリングが綺麗だからといって、床下が無事とは限りません。 シロアリ被害は表面からは分かりにくく、実際に床が“ふわふわ”してきてから気づくこともよくあります。

あるお宅では、床材だけ新しくしたものの、床下の根太や土台がシロアリに食われており、半年後に再工事が必要になりました。

このような事態を避けるには、表層だけで判断せず、床下の点検をしっかり行うことが欠かせません。

配管位置が合わず、追加工事で費用が膨らんだ話

キッチンや洗面台の位置を変えたい場合、希望通りに設置するには“配管の限界”を知る必要があります。 実際の現場では、床下の梁の位置や勾配の問題で、思うように配管を動かせないケースもあります。

あるケースでは、当初の見積りでは簡単に移動できると説明されていたものの、解体すると予想より複雑な配管が出てきて、追加費用が大きくかさんでしまいました。

水回りの位置変更には制約があるため、事前に“どこまで動かせるか”を確認しながら計画することが大切です。

現場監督 福田からのアドバイス②

水まわりの移動は、図面だけでは分からない“現場ならではの制約”があります。
特に築年数が古い家ほど、床下の梁や勾配の取り方に個性があり、想定と違うことが少なくありません。
解体してから「できません」にならないよう、事前に“最悪パターン”も含めて説明してもらうと安心して進められますよ。

浴室やベランダの防水不良で雨漏りが発生

防水工事は“完成後に隠れる部分”が多いため、ミスがあっても気づくのは数ヶ月後になることがあります。

ある浴室リフォームでは、浴槽の周りの防水処理が不十分で、半年後に脱衣室まで水が回り、大掛かりな補修が必要になりました。

見えない部分だからこそ、工事中に写真を撮ってもらい、どんな手順で施工されたか確認できる状態にしておくことが重要です。

電気配線の接続忘れでコンセントが使えない

電気配線のトラブルは、意外と身近に起こります。

「引き渡し当日、スイッチを押しても照明がつかない」「新しいコンセントが全く反応しない」といった声は珍しくありません。

これは単純な接続ミスのこともありますが、配線ルートの想定違いや既存配線の老朽化が原因のこともあります。 配線図の確認や、引き渡し前の点灯チェックを行うだけでも、トラブルを大幅に減らすことができます。

見積りより高額に...「追加です」が続いたケース

リフォームでは、解体して初めて分かる問題があるため、追加費用が発生すること自体は珍しいことではありません。 ただし、当初見積りを極端に安く見せ、後から大量の追加を提示する業者も存在します。

大切なのは、追加が必要になる“条件”が事前に説明されているかどうか。 「どんな時に、どのくらい費用が変わる可能性があるのか」を事前に理解していれば、後で驚くこともありません。

工事の進め方が共有されず、仕上がりが想像と違ってしまったケース

養生不足で床や家具にキズがついた

床をしっかり養生していない、家具を動かすときに壁をこすってしまう――。 養生の質は、工事後の満足度を大きく左右します。

あるご家庭では、食器棚を動かす際の僅かな油断で床にキズがつき、追加補修が必要になりました。

「どこを、どのように養生するのか」まで事前に確認しておくと、こうしたトラブルはほぼ防げます。

断熱・換気の考慮不足でカビ・結露が再発

結露やカビは「窓を替えれば改善する」と思われがちですが、実際はもっと複雑です。 原因が“壁内の断熱不足”や“構造に起因する湿気の抜けにくさ”にある場合、窓交換や表面の仕上げだけでは改善しません。

こうしたケースでは、内装を解体し、壁の断熱材を入れ替えたり、通気経路を確保したりといった大規模な工事が必要になることもあります。 つまり、「軽いリフォームで必ず直せる」と誤解されやすい問題ほど、慎重に原因を切り分ける必要があるのです。

原因の診断には、窓まわり・壁内・換気経路を総合的に見ることが欠かせません。 カビや結露は“性能”の問題であることを理解し、焦って対処せず、丁寧な調査から始めることが大切です。

現場監督 福田からのアドバイス③

結露やカビは、表面に見えている現象だけで原因を判断しないことが大切です。
本当の原因が壁の中にある場合、目視では分かりません。
無理に部分補修で済ませてしまうと、後から症状が再発し、かえって費用が増えることもあります。
小さな症状でも“性能の問題かもしれない”という前提で相談していただくと、最適な対策を一緒に選びやすくなります。

アフター連絡がつかず、不具合が放置された

工事が終わった直後は安心していても、生活し始めて初めて気づく不具合というものがあります。 にもかかわらず、アフター窓口につながらない、担当者が不在のまま返事が来ない――。 これは施主にとって最もストレスの大きいトラブルです。

契約前に「どこが窓口になるのか」「どれくらいの期間対応してもらえるのか」をしっかり確認しておくことが、安心につながります。

怖いリフォームの本質は、お互いの“分かっているつもり”のズレ

以前の記事「リフォームで失敗する施主の共通点」でも触れましたが、 トラブルの多くは、施主と業者の間にある“ちょっとした思い違い”から生まれています。

「質問してはいけないと思っていた」
「説明されたけれど理解したつもりになっていた」
「伝えたつもりでいたけれど、共有されていなかった」

こうした小さなすれ違いが積み重なることで、大きなトラブルにつながるのです。

怖いリフォームを避ける最も確実な方法は、施主自身もプロジェクトの一員として、遠慮なく意見や疑問を伝えること。
お互いが同じ方向を向いて進めれば、リフォームはもっと安心で、もっと満足度が高いものになります。

FAQ(よくある質問)

Q1:怖いリフォームを避けるには、まず何を確認すべき?

A.仕様書や見積りに“どこまで含まれ、何が別途なのか”を明確にしておくことが最初の一歩です。追加費用の出る条件を確認しておくと安心です。

Q2:工事中の写真はお願いしても良いですか?

A.もちろんです。見えない部分の施工品質を確認できる唯一の方法です。

Q3:住みながらリフォームする場合、気をつけることは?

A.工事範囲を空けるための片付けや、割れ物の移動、騒音・ホコリへの備えを早めに準備しておくとスムーズです。

Q4:結露・カビは、窓交換で本当に改善しますか?

A.原因次第です。壁内断熱の不足や湿気の滞留が原因の場合、窓だけ替えても改善しないことがあります。

Q5:工事後に不具合が出た場合、どこまで対応してもらえますか?

A.会社によって対応範囲が異なるため、契約前にアフター窓口・期間・保証内容を確認することが重要です。

怖い話を“対策の知識”に変えられれば、リフォームは安心して進められる

<当社施工事例>

紹介した10の事例はどれも実際にあったもので、聞けば怖く感じるかもしれません。 しかし、共通しているのは「事前に知っていれば避けられた」という点です。

●気になる点は遠慮なく質問する
●追加費用の出し方を確認する
●工程写真をしっかり共有してもらう
●構造・断熱は“軽い工事で直らない場合もある”と理解しておく

こうした姿勢があるだけで、リフォームは驚くほどスムーズに進み、満足度も高まります。

怖い話をただ怖がるのではなく、「自分は同じ失敗をしないためには何ができるか」という前向きな知識として活かしていただければ幸いです。

この記事を書いた人

福田 雄一郎[現場監督/1級建築施工管理技士]

工務部では部長としてリフォームを中心に現場管理をメインに担当しています。本ブログでは「私自身がリフォームをするのであればこうする」という視点でみなさまに役立つ情報を紹介していきます。よろしくお願いいたします。