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中古住宅+リフォームで後悔しない!現場監督が教える「買って直後」の落とし穴と回避策10選

  • 中古を買ってリフォーム・リノベーション

中古住宅+リフォームは「買った直後」がいちばん重要

近年、新築住宅の価格高騰を背景に、中古住宅を購入し、自分好みにリフォームする「中古+リフォーム」という選択肢を選ぶ方が増えています。これは、理想の暮らしを手に入れるための、非常に現実的で賢明な方法と言えます。

しかし、中古住宅の購入直後というのは、実は最も判断を急ぎやすく、トラブルが起きやすい危険なタイミングでもあるのです 。特に多く見られるのが、不動産会社から紹介されたリフォーム業者に深く検討せずそのまま任せてしまい、「こんなはずじゃなかった...」と後悔してしまうケースです。

今回の記事では、中古住宅の購入とリフォームを同時に進める中で、実際に現場でよく発生しているトラブルと、その具体的な回避策を、現場目線で分かりやすく徹底解説していきます。

今回も本記事では、1級建築施工管理技士の現場監督・福田が、「なぜそうなるのか」「どうすれば防げるのか」をポイントごとに解説します。私自身、数多くの中古リフォームの現場を見てきましたが、少しの知識と準備で防げる後悔は本当に多いと実感しています。この記事が、皆さんが後悔のない家づくりを進めるための判断材料になれば幸いです。

中古住宅購入+リフォームの落とし穴10選

中古リフォームでよくあるトラブルを、不動産会社に紹介された業者に任せる際に起きがちなケースを中心に解説します。

落とし穴①「中古を見ずに出された概算見積」で話が進んでしまう

中古住宅のリフォームにおいて、物件の状態を十分に確認しないまま出された概算見積もりで契約の話を進めてしまうのは、大きなリスクを伴います 。一見、スピーディに見積もりが出て便利に感じますが、現地調査が不十分な見積もりは、あとから追加費用が発生しやすく、最終金額が大きく膨らみがちです 。

新築とは異なり、中古住宅は築年数やメンテナンス状況によって、床下や天井裏の構造、配管の状態などが一軒一軒全く異なります 。そのため、なぜ現地確認が重要なのかと言えば、例えば給排水管の交換が必要な場合や、隠れたシロアリ被害が判明した場合など、目に見えない部分の費用が後から雪だるま式に膨らむ可能性があるからです 。

ここで注意が必要なのは、プロが事前にどれほど入念に調査をしたとしても、「それでも実際に解体してみないとわからない隠れた部分は必ずある」ということです。壁を剥がしてみたら柱が腐食していた、床をめくったら基礎にクラック(ひび割れ)があった、といった事態は現場では珍しくありません。だからこそ、事前の現地調査で可能な限りリスクを洗い出し、あらかじめ「予備費」を含めたゆとりある計画を立てておくことが、中古リフォームを成功させる鉄則です。

落とし穴②「とりあえず直します」という曖昧な工事内容のまま契約してしまう

工事の内容が口頭の説明や簡単なメモだけで終わってしまい、「とりあえず直します」「きれいにします」といった曖昧な言葉だけで契約をしてしまうと、完成後に「思っていた仕上がりと違う」という認識のズレが非常に起きやすくなります 。

特に中古リフォームでは、既存の建物を活かす部分と新しくする部分が混在するため、仕上がりのイメージを共有することが大切です。単なる言葉ではなく、使用する建材や設備の品番、色、配置がわかる図面、そして「仕様書」といった具体的な書類が整理されていないと、リフォーム会社との間で認識の違いが生まれ、トラブルの原因になります 。たとえば、「フローリングを交換」とだけあっても、メーカーやグレード、色味が異なれば、理想とする空間は全く変わってしまいます。

現場監督 福田からのアドバイス①

中古リフォームで必ず事前に確認してほしい3つのポイントは以下の通りです。

1.目に見えない部分の調査範囲と費用感
床下や天井裏、壁内など、解体しないと見えない部分について、調査をどこまで行うのか、また万が一、大きな補修が必要になった場合の「追加費用の目安」を事前に聞いてください。

2.図面と仕様書の有無
工事に入る前に、間取り図だけでなく、使う設備の品番や内装材のグレードが明記された「仕様書」と、コンセントや照明の位置がわかる「電気図面」が揃っているかを確認すること。
※ただし、小規模な部分リフォームや簡易的な修繕などの「小さな現場」では、こうした詳細な図面類は作成されないのが一般的です。

3.現場管理者の体制
誰が、どれくらいの頻度で現場をチェックしに来るのか、その担当者の資格や経験についても尋ねてみてください。

落とし穴③ 不動産会社とリフォーム業者の「責任の境界」があいまい

■撮影用にレンタルしたスペースにて撮影を行っています。

不動産会社とリフォーム業者が別会社である場合、どこからどこまでがそれぞれの責任範囲なのかが曖昧になりがちです 。典型的なケースとしては、「それは物件の契約前の話だから不動産の範囲です」「それはリフォーム工事の話です」と、何か問題が起きたときにたらい回しにされてしまうことです 。

例えば、引き渡し直後に給湯器が故障した場合、それが建物の不具合(不動産会社が負うべき瑕疵担保責任)なのか、それともリフォーム工事に含まれるべき交換の範囲だったのかで揉めることがあります。これを防ぐためには、物件の契約書とリフォームの契約書の間で、責任範囲の「線引き」を明確にしてもらうことが重要です。特に、給排水設備や構造的な問題は、事前に両者立ち会いのもとで確認してもらってください。

落とし穴④ 構造・配管・断熱を見ないまま“見た目優先”で進めてしまう

中古住宅のリフォームで失敗する最も大きな要因の一つが、「見た目だけをきれいにする」表面的なリフォームに終始してしまうことです 。中古住宅では、床下、天井裏、壁の中にある構造(耐震性)、配管(水回り)、断熱材の状態が、将来の住み心地や費用を大きく左右します 。

表面だけを整えても、例えば古い給排水管をそのままにしておくと数年後に水漏れが発生するリスクが高まります。また、断熱材がほとんど入っていない古い住宅をそのままにしてしまうと、冬は寒く、夏は暑い上に、光熱費もかさむことになります。見た目を優先し、これらのインフラ部分を無視したリフォームは、後で数百万円単位の再工事が必要になる危険性を伴います 。構造や配管などのインフラ整備にはコストがかかりますが、長く快適に住むためには、必ず初期段階で検討してくださいね。

落とし穴⑤「この家はリフォームできますよ」という言葉を鵜呑みにしてしまう

リフォーム業者から「間取り変更や耐震補強はできますよ」と言われた場合でも、それを鵜呑みにしてすぐに話を進めるのは危険です 。なぜなら、「技術的にできる」ことと、「現実的な費用でできる」ことは全く別問題だからです 。

例えば、壁を取り払って広いLDKにしたい場合、その壁が建物の構造を支える「耐力壁」だった場合、それを撤去するには、代わりに梁や柱で補強しなければなりません。この補強工事が大掛かりになり、当初想定していなかった高額な費用が発生するケースは少なくありません。また、建築基準法の関係で、思ったような増改築ができない場合もあります。リフォームの「実現可能性」と「費用対効果」について、複数の視点から慎重に検討してください。

現場監督 福田からのアドバイス②

中古住宅で追加費用が出やすい場所は、だいたい決まっています。特に注意が必要なのは、以下の3箇所です。

1. 浴室の土台(水回り)
昔ながらのタイル風呂は、土台の木材が腐食しているケースが非常に多く、ユニットバスへの交換時に土台補強の追加費用が発生しがちです。

2. 給排水管
壁や床の下に埋まっている古い金属管は、サビによる詰まりや水漏れのリスクがあります。給湯器交換だけでなく、配管の寿命についても確認が必要です。

3. 屋根裏・天井裏
断熱材が入っていない、または性能の低い断熱材が使われている場合、快適性を確保するために断熱改修が必要になります。

落とし穴⑥ 工事中の現場管理が弱く、仕上がりにムラが出る

たとえ不動産会社から紹介された信頼できる業者であっても、実際の工事中の現場管理がしっかりしているかどうかは別問題です 。現場管理が甘いと、職人さんの施工品質にムラが出たり、工程が遅れたり、資材の管理がおろそかになったりします 。

具体的には、壁紙の継ぎ目が目立つ、床の水平が出ていない、指定した位置と違う場所にコンセントが取り付けられた、といった小さなミスが多発し、最終的に「なんだか雑な仕上がりになった」と後悔することにつながります。現場管理者がどれくらいの頻度で現場に来て、何をチェックしているのかを事前に確認しておいてください。

落とし穴⑦「今すぐ決めないと工事が埋まる」と急かされてしまう

中古住宅の購入直後は、すぐにリフォームを始めないと住む家がないという焦りから、「今すぐ決めないと、次の工事の予約が埋まってしまう」といった業者側の言葉に流されやすい心理状態にあります。しかし、焦って決断するほど、契約内容の確認がおろそかになり、後悔が増えやすいのが実情です。

リフォームは、物件選びと同じくらい、あるいはそれ以上に重要な決断です。焦って契約する必要はありません。特に、相見積もりを取る時間も与えずに契約を急かす業者は、その後の対応にも問題がある可能性が否定できません。立ち止まって、契約内容や業者の選定を冷静に行う時間を確保することが、トラブル防止の鍵になります。

落とし穴⑧ 保証やアフターの説明があいまいなまま工事が終わる

リフォーム工事が終わった後、万が一不具合が出たときに、「どこまで対応してもらえるのか」という保証やアフターフォローの内容を事前に確認しないのは大変危険です。特に、古い建物は予期せぬ不具合が発生する可能性が新築よりも高くなります。

工事が終わった途端に連絡が取れなくなる、もしくは「それは保証の対象外です」と言われてしまうケースを避けるためにも、契約書に工事の種類ごとの保証期間(例:水回り設備は2年、構造補強は10年など)や、不具合発生時の連絡体制が明確に記載されているかを必ず確認してください。

現場監督 福田からのアドバイス③

紹介業者でも、必ず自分で確認してほしい質問がいくつかあります。特に重要なのは、「追加費用」と「トラブル時の体制」についてです。以下の3つの質問も参考にしてみてください。

1. 「もし解体中に構造的な問題が見つかった場合、すぐに対応できる体制と、追加費用が発生する際の報告と承認プロセスはどうなっていますか?」

2. 「工事後の保証期間と、その期間外でも有償対応してもらえるかどうかの窓口はどこになりますか?」

3. 「現場で作業する職人さんは、どのような体制で手配されていますか?(職人さんの質は、仕上がりに直結します)」
実際には多くの工務店が外部の協力業者と連携していますが、大切なのは、その工務店が長年信頼を置き、家づくりの考え方を共有している「腕の確かな職人チーム」を持っているかどうかです。単にその場限りの手配ではなく、いつも同じメンバーでチームを組んでいるような関係性があれば、現場の連携もスムーズで品質も安定します。

落とし穴⑨ リフォーム費用と住宅ローン・資金計画がちぐはぐになる

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中古住宅の購入費とリフォームの工事費を別々に考えてしまうと、後から「資金が足りなくなった」という事態に陥りやすくなります 。特に、リフォーム費用を自己資金で賄う予定だったが、物件価格が高騰して自己資金を多く充てる必要が生じた、といったケースが少なくありません。

中古住宅+リフォームでは、物件購入費用とリフォーム工事費を一体として借り入れできる「一体型ローン」の利用が一般的です 。購入の初期段階で、物件費と工事費の概算を合わせた総額での資金計画を立て、リフォーム会社と金融機関と密に連携を取りながら進めることが重要です。

落とし穴⑩「紹介だから安心」という思い込みで比較検討をしない

不動産会社から紹介されたリフォーム業者だからといって、無条件に「安心」と決めつけてしまい、他の業者との比較検討(相見積もり)を一切しないのは、最も大きなリスクになります 。紹介自体が悪いわけではありませんが、比較をしないことで、その業者の見積もりが適正かどうか、提案内容が最善かどうかを判断する基準が持てなくなってしまいます 。

紹介業者が必ずしも「最安」や「最良」の提案をしてくれるとは限りません。少なくとも、価格感、提案内容、担当者の知識や対応の速さを比較するためにも、2~3社から見積もりを取ることを強くおすすめします。

よくある質問(FAQ)

Q1. 不動産会社から紹介された業者は断っても問題ありませんか?

A.全く問題ありません。不動産会社からの紹介は、あくまで「選択肢の一つ」として捉えてください。断ることで、その後の関係に影響が出ることは通常ありませんし、もし影響が出るようなことがあれば、その不動産会社自体も再検討の余地があると言えるかもしれません。大切なのは、あなたの理想の家づくりを任せられる、信頼できるパートナーを選ぶことです。

Q2. 中古リフォームの見積は何社くらい取るべきですか?

A.適切な見積もり比較をするためには、最低でも3社から見積もりを取ることをおすすめします。1社では相場が分かりませんし、2社では比較の視点が偏りがちです。3社の見積もりを比較することで、価格の適正さ、各社の得意な分野、そして提案の質を総合的に判断することができます。

Q3. 物件購入前にリフォームの相談をしてもいいのでしょうか?

A.物件購入前にリフォーム会社へ相談することを強くおすすめします。購入前の段階で、リフォームの専門家(現場監督や建築士)に物件を見てもらうことで、「理想の間取り変更が構造上可能か」「水回りや配管の交換にどれくらいの費用がかかるか」といった、購入を左右する重要な情報を事前に得ることができます。これにより、「リフォーム不可だった」「費用が想定外に高かった」といったトラブルを防ぐことができます。

Q4. 追加費用が出ないようにする方法はありますか?

A.追加費用を完全にゼロにするのは難しいですが、極力抑える方法はあります。最も効果的なのは、契約前にできる限り詳細な「事前調査」をリフォーム会社に行ってもらうことです。床下点検口や天井裏点検口からの確認だけでなく、可能であればファイバースコープなどを使い、壁内や配管の状態も予測してもらいましょう。また、追加費用が発生した場合の対応ルールと上限金額を事前に取り決めておくことも有効です。

Q5. 工事中、施主はどこまで関わるべきですか?

A.現場を任せきりにするのはリスクがありますが、毎日顔を出す必要はありません。理想的な関わり方は、週に1回程度の「定例ミーティング」を設け、現場管理者と進捗状況や、予定外の事態が発生していないかを確認することです。特に、壁や床が貼られる前の配線や配管の仕込み段階は、後戻りができなくなる重要なタイミングなので、一度立ち会って確認することをおすすめします。

まとめ|中古+リフォームは「選び方」で満足度が決まる

<当社施工事例>

中古住宅+リフォームは、正しく進めれば新築にはない満足度と、コスト面でのメリットを享受できる素晴らしい選択肢です 。

しかし、その成功は、購入直後の「判断ミス」を防ぎ、「リフォーム会社の選び方」にかかっていると言っても過言ではありません 。紹介されたからと安易に任せるのではなく、「これは自分の大切な家づくりだ」という意識を持って、一つ一つの確認を怠らない姿勢が、何よりも大きなトラブル防止になります 。

現場監督として多くの事例を見てきた立場から言えるのは、少し立ち止まって、複数の業者を比較し、契約内容をきちんと確認するだけで、防げる後悔は本当に多いということです 。この記事が、皆さんの安心で快適な中古リフォームの一歩につながることを願っています。

この記事を書いた人

福田 雄一郎[現場監督/1級建築施工管理技士]

工務部では部長としてリフォームを中心に現場管理をメインに担当しています。本ブログでは「私自身がリフォームをするのであればこうする」という視点でみなさまに役立つ情報を紹介していきます。よろしくお願いいたします。