2月も半ばに入り、寒さがまだ厳しい中ですが、そろそろ気配を感じている方もいるのではないでしょうか? そう、「花粉」です。 せっかく洗濯物を洗っても、外に干すと花粉がついてしまう。かといって部屋干しをすると、リビングが洗濯物で占領されてしまう…。そんな悩みが深まるこの時期に、知ってほしいリフォームのアイデアがあります。
こんな「洗濯ストレス」抱えていませんか?4選
①夜洗濯派なのに干す場所がない 共働きで帰宅後に洗濯。外は暗い、リビングの鴨居(かもい)に引っ掛けるしかない。 ②重いカゴを持って階段を往復 1階で洗って、濡れて重くなった洗濯物を2階のベランダへ運ぶのが、年々しんどくなってきた。 ③洗面所がいつも混雑 朝の支度と洗濯のタイミングが被り、家族がすれ違えないほど狭い。 ③下着を外に干したくない 防犯面やプライバシーが気になり、結局カーテンレールの裏に隠して干している。
解決策は、洗面・脱衣室をただの「着替える場所」から、「洗って、干して、その場でしまえる場所」へと進化させることです。 大規模な増築をして専用の部屋を作るのではなく、今の洗面室の空間をうまく活用して「ランドリールーム兼収納」にする方法と、その具体的な費用感や注意点についてお話しします。
今回も本記事では、1級建築施工管理技士の現場監督・福田がポイントを詳しく解説します。
「10歩」で完結する家事動線とは?
<当社施工事例>
まず、「洗濯家事が10歩で完結する」というのはどういうことか、ですね。 通常の洗濯は、洗濯機から濡れた服を取り出し、カゴに入れて、2階のベランダや庭へ移動して干します。乾いたら取り込んで、今度は畳むためにリビングへ。畳んだ後は、それぞれの個室のクローゼットへ運びますよね。これだと、家の中を何往復もしてしまいます。
これを「10歩」にするには、すべての作業を洗面・脱衣室の中で終わらせる間取りを作ること。 洗濯機から出した服を、その頭上に設置した「室内物干しバー(物干し金物)」にそのままハンガーで干す。乾いたら、ハンガーのまま、すぐ横の「壁面収納」にかけるか、タオルや下着類はそのまま棚に畳んで置く。 これなら、移動距離はほぼゼロです。お風呂上がりに使うタオルやパジャマもそこにあるので、入浴時の準備もスムーズになります。
現場監督 福田からのアドバイス①:湿気対策と素材選び
洗面脱衣室で洗濯物を干すとなると、どうしても室内の湿度が上がります。そこで、チェックしたいのが換気扇です。もし「今の換気扇、ちょっと吸い込みが弱いかも?」と感じるなら、このタイミングで見直してみるのも一つです。湿気を外に出す力が強まれば、洗濯物の乾きも早くなりますし、カビの心配も減ります。
ちなみに、そもそも「干す手間を減らしたい!」「湿気を気にしたくない」という方には、ガス衣類乾燥機「乾太くん」を設置するのも、山中木材では人気の選択肢です。短時間でふわふわに仕上がるので、取り入れてみると家事がぐっと楽になりますよ。
既存のスペースを活かす「収納充実」の具体策
<当社施工事例>
「ウチの洗面所は狭いから無理」と諦める必要はありません。むしろ狭い空間こそ、リフォームの腕の見せ所です。 例えば、洗濯機の上のデッドスペースや、洗面台横のわずかな隙間。 大規模なウォークインクローゼットを増築しなくても、壁一面にオープンな棚や引き出し収納を設けるだけで、使い勝手は劇的に変わり、ワンアクションで出し入れできるというメリットも生まれます。
意外と盲点!「畳む場所」と「予洗い」もここで完結
<当社施工事例/画面中央の棚で洗濯物を畳んだり、アイロンができます>
「洗う・干す・しまう」の間にある、「畳む」作業。これをする場所がないと、結局リビングへ洗濯物を持っていくことになります。 そこで提案したいのが、壁側の全面を収納にするのではなく、ハーフ収納とし、その棚で洗濯物を畳んだり、アイロンをかけたりする作業台にする方法 です。
また、泥だらけの運動靴やユニフォームがあるご家庭なら、「スロップシンク(深型の流し)」 の設置も検討してみてください。洗面台とは別に、汚れ物をジャブジャブ洗える専用シンクがあれば、気兼ねなく予洗いができ、そのまま洗濯機へ放り込めます。
現場監督 福田からのアドバイス②:見えない「下地」が命
DIYで突っ張り棒や棚をつける方もいますが、濡れた洗濯物は想像以上に重くなります。また、毎日棚から物を出し入れする振動も加わります。そのため、物干しユニットや棚を設置する壁・天井には、石膏ボードの裏に「コンパネ(合板)」などの強力な下地を入れておく必要があります。
リフォームの際は、表面を綺麗にするだけでなく、一度壁を一部めくって下地を補強する工事が含まれているかを必ず確認してください。ここをケチってしまうと、数年後に重みでバーが落下する…なんて事故につながりかねません。プロとして、ここは譲れないポイントです。
気になる費用と工期はどれくらい?
<当社施工事例/コンパクトながら収納量をしっかり確保>
現在の洗面所の内装を張り替え、天井に昇降式の物干しユニット(使わない時は天井に収納できるタイプなど)を設置し、壁面に可動棚を造作する場合。広さが2畳程度と想定すると、おおよそ20万円〜50万円程度がひとつの目安になります。
もし、これに合わせて断熱改修を行ったり、高機能な洗面台に入れ替えたり、乾燥暖房機を新設したりする場合は、プラスの費用がかかります。
工期については、内装と棚の設置だけであれば2〜3日程度で完了することが多いです。住みながらの工事も十分可能ですので、数日の我慢で、その先何年も続く家事のストレスがなくなると考えれば、コストパフォーマンスは非常に高いと言えます。
現場監督 福田からのアドバイス③:コンセントと暖房の盲点
意外と忘れがちなのが「コンセント」と「温度管理」です。
部屋干しを効率よく行うには、サーキュレーター(扇風機)や除湿機を併用するのが最強の時短テクニックです。そのためのコンセントが、床付近や棚の使いやすい位置にありますか? 洗濯機のコンセントを差し替えて使うのは面倒ですよね。リフォーム時に専用コンセントを増設しておきましょう。
また、冬場の洗面所は寒くなりがちです。寒くて洗濯物が乾きにくいだけでなく、ヒートショックの危険もあります。洗面所用の涼風暖房機を設置しておけば、冬は暖かく、夏は涼しい風の中で洗濯作業ができ、お風呂上がりも快適です。これは実際に工事をしたお客様から「つけて一番よかったオプション」と言われることが多い設備です。
よくある質問(FAQ)
Q1. 部屋干し特有の「生乾き臭」が心配です。本当に大丈夫ですか?
A. 大丈夫です。
ただし「風の通り道」を作ることが条件です。サーキュレーターで風を当てたり、換気設備を整えたりすれば、短時間で乾くためニオイ菌は繁殖しにくくなります。最近の洗剤の進化もすごいので、設備と洗剤をうまく組み合わせればニオイはほぼ気になりません。
除湿器があるとよりいいかと!
Q2. マンションでもこのリフォームはできますか?
A. はい、可能です。梁(はり)があって天井に物干しがつけにくい場合でも、壁付けタイプの物干しワイヤーや、窓枠を利用するタイプなど、現場の状況に合わせて最適な提案ができます。また、マンションは気密性が高いので、除湿機との相性もよく、併用すればより短時間で乾きやすいというメリットもあります。
Q3. 洗濯機を動かさずに工事できますか?
A. 基本的には一時的に洗濯機を取り外して移動させる必要があります。床の張り替えや、洗濯機裏の壁補強などを行うためです。 なお、山中木材では、工事中は別の場所に設置して使っていただいています(※コンセント・水道がある場所に限ります)。設置場所がない場合のみ、コインランドリーをご利用いただくなど、数日間のご協力をお願いすることになります。
まとめ
<当社施工事例>
今回は、花粉の季節や梅雨にも負けない「洗面・脱衣室のランドリールーム化」についてお話ししました。 「10歩で完結する」というのは、単に楽をするということだけでなく、空いた時間で家族とゆっくり過ごしたり、自分の趣味の時間を持てたりするということでもあります。
毎日必ず発生する「洗濯」という家事だからこそ、その負担を減らす効果は絶大です。「ウチは狭いから…」と諦める前に、まずは今のスペースで何ができるか、プロの視点で診断させてください。収納の工夫一つで、驚くほど使いやすい空間に生まれ変わりますよ。