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【戸建て編】「住みながらリフォーム」は限界がある?現役現場監督が教える、仮住まいとの判断基準とストレスを減らす5つの工夫

  • 戸建リフォーム・リノベーション

長年住み慣れた我が家が新しく生まれ変わるリフォーム。どんなお部屋になるのか、想像するだけでワクワクしますよね。でも、いざリフォームを考え始めたときに、多くの方がぶつかるのが「工事中、私たちはどこでどうやって生活すればいいの?」という疑問です。

家賃もかからないし、防犯面でも安心だから「住みながらリフォーム」をしたいと考える方はとても多いです。しかし、実はその選択が、想像以上のストレスを生んでしまうことも少なくありません。場合によっては、最初から仮住まいに引っ越してしまったほうが、結果的に費用が安く済むことだってあるんです。

今回も本記事では、1級建築施工管理技士の現場監督・福田がポイントを詳しく解説します。リフォーム中の生活に関するリアルな実態と、ストレスなく工事期間を乗り切るための具体的な工夫を、プロの目線でたっぷりとお伝えしていきますね。

「仮住まい」を選んだほうが結果的にラク&安上がりなケースとは?

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「住みながらの工事なら、仮住まいの家賃や引っ越し代が浮くから絶対にお得!」と思うかもしれません。たしかに、数十万円の出費がなくなるのは魅力的です。しかし、住みながらの工事は、職人さんたちが「お客様が生活するスペース」と「毎日使う通り道」を確保しながら作業を進めなければなりません。

毎日作業の終わりに道具をすべて片付け、掃除をして、仮の生活ができる状態に戻す。この作業にも手間と時間がかかります。誰も住んでいない空き家であれば1ヶ月で終わる工事が、住みながらだと1ヶ月半から2ヶ月に延びてしまうことも珍しくありません。工事期間が延びるということは、その分、職人さんの人件費(作業費)が余分にかかるということです。場合によっては、仮住まいの家賃や引っ越し代(例えばトータルで40〜50万円程度)を支払ってでも、工期をグッと短縮したほうが、トータルのリフォーム費用が安くなるケースもあります。

では、具体的にどんな工事なら仮住まいを選んだほうが良いのでしょうか。

まず一番に挙げられるのは、キッチン、お風呂、トイレといった「水回りすべて」を一度に改修する場合です。水回りが使えない生活は、皆さんが想像している以上に過酷です。お風呂は毎晩銭湯に通い、食事はすべて外食かお弁当、トイレは近所のコンビニまで走る。これが数日ならキャンプ気分で楽しめても、数週間続くと心身ともに限界を迎えてしまいます。

次に、間取りを大きく変えるような、1ヶ月以上かかる大規模なリフォームの場合です。家の中のあちこちの壁がなくなり、床が剥がされた状態が長く続くと、落ち着いてくつろぐ場所がなくなってしまいます。さらに、屋根と外壁の工事も同時に行う場合は要注意です。家の周りに足場が組まれ、すっぽりと飛散防止シートで覆われてしまうため、昼間でも家の中は薄暗く、窓を開けて換気することもできません。家の中も外も職人さんがいるという環境は、常に誰かに見られているような息苦しさを感じてしまうものです。

また、ご家族の中にアレルギー体質の方や小さなお子様がいる場合、そして室内飼いのペットがいる場合も仮住まいを強くおすすめします。どれだけ丁寧にお部屋をシートで区切って養生(保護)しても、工事のホコリは小麦粉のように細かく、わずかな隙間から生活空間に入り込んできます。工事の大きな音は、耳の良いペットにとって大きなストレスになり、体調を崩してしまう子も少なくありません。

現場監督 福田からのアドバイス①

「住みながらリフォーム」か「仮住まい」かで迷ったら、まずはリフォーム会社に両方のパターンの見積もりとスケジュールを出してもらいましょう。工期がどれくらい縮まり、人件費がどれくらい変わるのかを比較すれば、ご家族にとってどちらが賢い選択なのかが客観的に判断できますよ。

「住みながら」を選ぶ方へ。現役現場監督が教える生活負担を減らす5つの工夫

費用やスケジュールの兼ね合いで、どうしても「住みながらリフォーム」を選ぶことになった場合でも、安心してください。事前の準備とちょっとした工夫で、生活のストレスは劇的に減らすことができます。

ただ、具体的な工夫をお伝えする前に、ひとつだけ大切な大前提をお話しさせてください。それは「貴重品の管理」です。現金や貴金属、大切なカード類などは、工事が始まる前に必ず鍵のかかる引き出しや金庫などにしっかりと保管をお願いします。「一生懸命やってくれる職人さんを疑うなんて…」と気を遣ってくださる優しいお客様もいらっしゃるのですが、これは万が一の紛失や勘違いによるトラブルを防ぎ、お客様と職人の双方が最後まで気持ちよく、安心して工事期間を過ごすためのとても大切なルールなんです。

このお互いのための安心感をベースにしていただいた上で、ここからは戸建て住宅ならではの5つの工夫をご紹介していきますね。

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工夫① 【ホコリ・汚れ対策】戸建てならではの「徹底養生」と生活空間の分離

工事現場から出るホコリを甘く見てはいけません。木材を切る粉や、古い壁を壊すときの粉塵は、家の中をフワフワと舞い上がります。これを防ぐためには、工事をするエリアと、皆さんが生活するエリアを物理的に完全に分けてしまうことが最も効果的です。

戸建て住宅であれば、まずは1階を工事して皆さんは2階で生活し、1階が終わったら今度は皆さんが1階に降りて2階を工事する、といった分断がしやすいのが強みです。このとき、階段の入り口や廊下に、天井から床までピッチリと分厚いビニールシートを張って、ホコリの侵入をシャットアウトします。このシートを張ったり、床が傷つかないように板を敷き詰めたりする作業を「養生(ようじょう)」と呼びます。実は、この養生をどれくらい綺麗に、隙間なくピシッと貼れるかで、そのリフォーム会社の丁寧さや職人さんの腕の良さが分かってしまうほど重要なポイントなんです。ただし、どれだけプロが徹底的に養生を行っても、目に見えない微細なホコリの侵入を100%防ぎ切ることはできない点だけは、あらかじめご理解ください。

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工夫② 【騒音・振動対策】一番うるさい解体工事の「事前共有」と外出計画

リフォーム工事の中で、圧倒的にうるさくて家が揺れるのが、最初の数日間に行われる「解体工事」です。壁をハンマーで壊したり、床材を機械で剥がしたりする音は、テレビの音はもちろん、隣の人との会話すら聞こえなくなるほどの爆音です。

この騒音を家の中でジッと耐えるのは本当に辛いので、現場監督に「一番大きな音が出るのは何日の何時から何時ですか?」と事前にしっかり確認しておきましょう。そして、その時間帯は思い切って外出する計画を立ててください。お買い物に出かけたり、映画を見に行ったり、ご友人やご実家の家に遊びに行ったりと、最初から「この日は家にいない日」と決めておけば、騒音ストレスに悩まされることはありません。

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工夫③ 【水回り対策】キッチンやお風呂が使えない期間の乗り切り方

水回りの工事中、戸建て住宅ならではの裏技があります。それは、お庭やガレージの空きスペースに「仮設トイレ」や「仮設シャワー室」を設置してしまうことです。費用は1ヶ月あたり数万円程度かかりますが、夜中にトイレに行きたくなったとき、わざわざ着替えて外のコンビニなどまで行く苦労を考えれば、十分に価値のある投資です。

キッチンが使えない期間は、私であれば、思い切って「室内キャンプ」を楽しんでしまいます。カセットコンロをテーブルに置いてお鍋をしたり、電子レンジだけで作れる時短レシピを活用したりします。洗い物が出ないように、紙皿や割り箸、ラップをかぶせたお皿を使うのも賢い方法です。数日間なら、普段はあまり買わないちょっと良いお惣菜や、出前を頼んでみるのも、家事のお休み期間として割り切って楽しめるコツです。

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工夫④ 【荷物・家具対策】敷地内の「仮置き場」確保と玉突き移動

工事をする部屋にある家具や荷物は、すべて別の場所に移動させなければなりません。これを家の中で順番に移動させながら工事を進めることを「玉突き移動」と呼びます。戸建ての場合は、使っていない子供部屋や和室などに荷物を押し込むことができますが、それでも入りきらない場合は、お庭に小さなプレハブの物置をレンタルして設置したり、車を別の駐車場に移動させて、空いたガレージを荷物置き場として活用したりできます。

また、リフォームは絶好の「断捨離」のチャンスでもあります。工事が始まる前に、何年も使っていない家具や服を思い切って処分しておきましょう。荷物が減れば減るほど、玉突き移動の手間が省けて、職人さんの作業スペースも広くなり、結果的に工事がスムーズに進みます。

現場監督 福田からのアドバイス②

トランクルームを借りるのも手ですが、毎月の費用(1〜2万円程度)と往復の運搬費用がかかります。まずは「捨てるもの」を徹底的に分け、どうしても残すものだけを敷地内の空きスペースや、レンタルしたお庭の仮設テントなどにまとめるのが、一番安上がりで取り出しやすい方法ですよ。

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工夫⑤ 【職人さんとの関わり方】気疲れしないコミュニケーション術

「職人さんが毎日来るから、10時と15時にお茶とお菓子を出さなきゃいけないの?」と心配される方がとても多いです。結論から言うと、毎日のお茶出しは全く必要ありません。最近の職人さんは、自分の好きな飲み物を水筒やペットボトルで持参していますし、休憩時間も作業のキリが良いタイミングで自由にとるようになっています。

どうしても何か差し入れをしたい場合は、玄関先やお庭の邪魔にならない場所に、クーラーボックスを置いて缶コーヒーやスポーツドリンクを入れておき、「ご自由にどうぞ」とメモを貼っておくスタイルが一番喜ばれます。これなら、皆さんも時間を気にせず外出できますし、お互いに気を使わなくて済みますよね。

もう一つ大切なのが、工事内容について気になることがあったときの伝え方です。「あれ?ここの壁の色、打ち合わせと違う気がする…」と思ったとき、作業している職人さんに直接指示を出してしまうのはNGです。職人さんは現場監督の指示書通りに動いているため、急に変更を言われても困ってしまいます。言いにくいことや疑問に思ったことは、必ず現場を管理している現場監督に直接伝えてください。それがトラブルを防ぎ、希望通りの家を完成させるための一番の近道です。

よくある質問(FAQ)

ここで、リフォームを検討し始めた読者の皆様が、記事を読んでいて疑問に思いやすいポイントを先回りしてお答えしておきますね。

Q1. 仮住まいを探すのって、短期間でも簡単に借りられるものですか?

普通のアパートやマンションは「1ヶ月だけ」という短期間の契約をとても嫌がります。そのため、探す場合は敷金や礼金がかからない「ウィークリーマンション」や「マンスリーマンション」、あるいは短期契約が可能なUR賃貸住宅などを利用するのが一般的です。また、リフォーム会社によっては仮住まい用の物件を自社で持っていたり、提携している不動産屋を紹介してくれたりすることもあるので、まずは担当者に相談してみてください。

Q2. 共働きで日中は誰も家にいません。鍵をずっと開けっぱなしにするのは防犯的に不安です。

ご安心ください。日中お留守のご家庭でリフォームを行うのは、今や当たり前のことになっています。鍵の管理については、玄関のドアノブや目立たない場所に、暗証番号で開く頑丈な「キーボックス」を取り付け、その中に家の鍵を入れておきます。朝一番に来た職人が暗証番号で鍵を取り出して作業を始め、最後に帰る職人がしっかりと戸締まりをして、再びキーボックスに鍵を戻すというルールを徹底しています。皆さんが職人さんのために、ずっと家にいなければならないということはありません。

Q3. 最初は「住みながら」で頑張るつもりだけど、途中で限界になったらホテルに逃げてもいいですか?

もちろん大丈夫です!むしろ、その選択肢を最初から持っておくことをおすすめします。先ほどお話しした「解体工事の数日間」や、「お風呂が全く使えない1週間」など、特にストレスが溜まりやすいピークの期間だけ、ビジネスホテルや近くの温泉宿に泊まるご家族はとても多いです。最初からリフォーム予算の中に「数日間のホテル宿泊代」を組み込んでおくと、心の余裕がまったく違ってきますよ。

現場監督 福田からのアドバイス③

戸建て住宅は外壁や屋根の工事があるため、雨や台風が続くと、どうしても予定通りに工事が進まずスケジュールが延びてしまうことがあります。特に住みながらの工事だと「いつまでこの状態が続くの…」と不安になりやすいですが、天候ばかりはどうしようもありません。最初から「予定より1〜2週間は延びるものだ」と、心とスケジュールにゆとりを持っておくのが、イライラしないための最大の秘訣です。

まとめ:プロと相談して、ご家族に最適なリフォーム計画を!

<当社施工事例>

「住みながらリフォーム」は、決して不可能なことではありません。しかし、そこには必ず生活への影響と、それに伴うストレスが存在します。大切なのは、ご自身やご家族が「どこまでの不便なら許容できるか」「どのくらいの期間なら耐えられるか」を事前にしっかりと話し合い、無理のない選択をすることです。

費用を少しでも抑えたい気持ちはよくわかります。ですが、仮住まい費用をケチった結果、何ヶ月もストレスにさらされてご家族の体調を崩してしまったり、職人さんの作業効率が落ちて人件費が割高になってしまっては本末転倒です。

リフォームの現場は生き物です。私たちは、ただ古い家を新しくするだけでなく、完成までの期間もお客様にできるだけ安心して過ごしていただきたいと願っています。「こんなこと聞いてもいいのかな?」と思うような生活の不安や疑問も、遠慮せずに現場監督や担当者にぶつけてみてください。最適な答えを一緒に探し出し、快適な新しい暮らしへの道のりをサポートするのが、私たちプロの役割です。

ご家族にとって、リフォームという一大イベントが、少しでも楽しくてワクワクする思い出になるよう応援しています!

この記事を書いた人

福田 雄一郎[現場監督/1級建築施工管理技士]

工務部では部長としてリフォームを中心に現場管理をメインに担当しています。本ブログでは「私自身がリフォームをするのであればこうする」という視点でみなさまに役立つ情報を紹介していきます。よろしくお願いいたします。