帰宅後にどっと疲れが出るのは誰のせい?
※イメージ
仕事や買い物を終えて、へとへとになって帰宅した瞬間、リビングに散らかるカバンや上着を見てどっと疲れが増してしまう。そんな経験は誰にでもあるはずです。実は、家が散らかる原因の多くはあなたの片付けスキルや性格のせいではありません。今の家の「間取り」が、無意識のうちにモノをリビングに持ち込んでしまう構造になっているだけなのです。
そこで今回は、限られた面積のお住まいでも無理なく実現できる、自然と家が片付く「動線」の作り方を1級建築施工管理技士の現場監督・福田がポイントを詳しく解説します。
賢い家は玄関が「関所」になっている
<当社施工事例/急な来客時にはロールスクリーンを下すだけ>
家をきれいに保つための最もシンプルで効果的な方法は、リビングに余計なモノを持ち込ませないこと。そのために有効なのが、玄関にシューズクローク(土間収納)やニッチを設け、そこを生活空間への「関所」として機能させる方法です。
家族が帰宅してすぐに上着を脱ぎ、荷物、小物類を置くための収納を玄関周りに集約します。こうすることで、リビングにたどり着く頃には、物が少ない状態になり、後から片付けるという家事そのものを無くすことができます。
現場監督 福田からのアドバイス①
大きな家であればウォークスルー型の収納を作ることも可能ですが、便利だからといって動線や通路をむやみに増やすと、人が歩くスペースが必要になるため、結果として居住空間や収納スペースが減ってしまうという落とし穴があります。一般的な広さのお住まいでは、玄関のシューズクロークを少し広げて「関所」にするのが最も合理的ですよ。
玄関の「動線」見直しリフォームの概要と費用
【1】玄関のシューズクローク → 洗面 → リビング
<当社施工事例/写真左側がシューズクローク>
(費用目安:約50万円〜150万円)
外の汚れや、花粉などを生活空間に持ち込みたくない家庭に最も人気のあるリフォームです。
玄関横のシューズクロークでコートや子供の部活のアイテムなどをそこに置き、そのまま隣接する洗面室で手洗いとうがいを済ませてからリビングへ入ります。
このリフォームでは、既存の廊下の一部や使っていない空間を取り込んで玄関収納を拡張し、洗面室への新しい出入り口を設ける工事がメインとなります。
【2】玄関のシューズクローク → パントリー → キッチン
<当社施工事例/パントリーはシューズクロークの対面に設置>
(費用目安:約50万円〜120万円)
週末に食材をまとめ買いする共働きの家庭に喜ばれるのが、このウォークスルー型のタイプです。
玄関の関所からパントリー(食品庫)へ直行し、そのままキッチンへと抜けられる動線を作ります。重い荷物を持ったまま、わざわざリビングを通ってキッチンまで運び込む手間が省けるため、帰宅直後の家事負担が軽くなります。
現場監督 福田からのアドバイス②
リフォームの費用を左右する大きな要因は「水回りの大掛かりな移動」です。予算内に収めつつ理想の動線を叶えるためには、今あるキッチンや洗面台の位置はなるべくそのまま活かすのがコツです。壁に新しい通り道を作ったり、間仕切りの位置を少しずらすだけでルートを構築できないか、プロと一緒にプランを練ることが成功の秘訣です。
玄関直結キッチンの罠
<当社施工事例/玄関直結のLDK:右手キッチンの足元は見えない工夫>
買い物帰りの荷物運びがラクになるキッチンへの直通ルートですが、実は設計時に注意しておかないと後悔しやすいポイントがあります。それは、急な来客や宅配便の受け取りの際、玄関からキッチンの様子が丸見えになってしまうというリスクです。いくら動線が良くても、片付いていないキッチンの生活感をお客様に見られてしまうのは、心理的なストレスに繋がります。
面積の都合などで、どうしても玄関からキッチンの内部が見えやすい間取りになってしまう場合は、視線をコントロールする工夫を取り入れましょう。
現場監督 福田からのアドバイス③
キッチン周りで最も生活感が出やすく、ごちゃついて見えるのは「足元」です。ゴミ箱やストック品、床に置いたままの野菜などが玄関から見えないよう、キッチンの手前に少し高めの腰壁を造作して足元を隠す配慮をしておきましょう。これだけで、急な来客時でも慌てることなく安心して対応できるようになります。
よくある質問(FAQ)
Q1. 今の玄関はとても狭いのですが、それでもシューズクロークは作れますか?
玄関そのものを広げなくても、隣接する廊下の一部や、あまり使っていない部屋のスペースを玄関側に取り込むことで、収納スペースを確保できるケースが多いです。現在の建物の構造によって出来ることは異なりますので、まずはプロに現地を見てもらうことをおすすめします。
Q2. 玄関周りに収納を増やすと、リビングなどの居住空間が狭く感じませんか?
確かに図面上のリビングの面積は少し減るかもしれません。しかし、これまでリビングの床やソファを占領していた荷物がなくなるため、視覚的なノイズが消えてスッキリとします。結果的に、リフォーム前よりも空間を広く、ゆったりと感じられる方が圧倒的に多いです。
Q3. 関所となる収納には、目隠しの扉をつけた方がいいですか?
家族が毎日使う収納スペースは、アクション数を減らすことが何より重要です。扉を開け閉めする手間があると、結局そこにモノを置かなくなってしまうため、基本的には扉のないオープンな収納をおすすめしています。来客時の視線が気になる場合は、普段は開けっ放しにできるロールスクリーンを設置しておくと便利です。
まとめ 「暮らしの仕組み」で心と時間にゆとりを
<当社施工事例>
「片付けなさい」と子どもを叱る時間や、散らかった部屋を見てため息をつく時間は、間取りの工夫次第で手放すことができます。家族の行動パターンに合った「動線」を作ることは、ただ家をきれいにするだけでなく、家族の心と時間にゆとりを生み出すための大切な投資です。毎日を頑張るご自身のために、家の方が自然と生活に合わせてくれるような「暮らしの仕組み」づくりを、ぜひリフォームで実現してみてはいかがでしょうか。